「表現芸術家ピアニストの生き様」掲載中

テンポ、拍子、間の取り方、この三点においてベートーベンの32曲のソナタの中でも最も特色の強い曲と言われ、この中期の作品には最終的に第30番31番32番にて完結するソナタを学ぶ上で、必要なすべての要素が納められている。また、ベートーベンの特徴といえる「曲の構成」は哲学的であり、ゆえに彼の自問自答と苦悩を繰り返しながら自らの結論へと到達する過程を十分に理解する必要がある。そういった観点から彼の美学は「本能」ではなく「理性」により成り立っていることを前提に曲の解釈をしていかないと、まったく別物になってしまう。そういわれている。

小学生の昭子にそんな音楽背景を大人並に解釈した上での演奏、出来るはずはなく、それでも弾きたい彼女はレコードを繰り返し聴き、足りない部分はせい先生に補いをつけてもらう指導の元、弾きあげる事が出来たのだった。

欲求は事を成就する源泉となるものだが、昭子の音楽に求める欲求には尋常に無いものがあった。

学校でのいじめによる孤立化というばかりではなく、休みの日は友達と遊ぶことよりも、ひとり音楽を聴く事のほうが好きで、クラシック番組「音楽の泉」を聴く事を日課とし、そのほか分野を問わず「音楽の暮らし」など探せる限りの音楽番組を探り、レコードを聴く事とあわせ音楽ずくめの1日を過ごすことが多かった。

そんな分野を超えて、純粋に音楽と向き合う姿勢を持つ彼女であったが、ハイフィンガー奏法、自分も習い身につけていきながら、その奏法によって出てくる音、表現に違和感を抱くことになるのだった。

 

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