小説 14.レッスン(3) 2019年11月4日 これまで好きと楽しみだけで母とともに弾きこなしてきたオルガン、その姿勢の矯正、指摘を受けたことのない昭子にとって違和感を抱かないではなかったが、子供の順応力すぐに馴染む。 そして「これから次のところに入るんだけど」そう言って「ドレミレファミレドー」と先生は実際の音符の長さをはしょって口ずさみ、その楽譜のバリエーション部...
調律実績 【調律を行いました】Autumn Concert@ポルシェセンター山口(10月26日) 2019年10月29日 10月26日(土)ポルシェセンター山口にて、ソプラノ歌手 矢次美香さんとピアノ奏者 Filippo Lerdaさんのコンサートが開催され、弊社所有の「スタインウェイD-274」を使用していただきました。 コンサート前日に調律をさせて頂き、コンサート当日にピアノの状態に問題がないか確認に伺ったところ、Filippo L...
コンサート情報 【2019/9/20】守永由香&竹澤勇人 ピアノコンサート(山口市) 2019年9月12日 2019年9月20日(金)に守永由香&竹澤勇人 ピアノコンサートを山口ポルシェセンター山口ショールームにて開催。弊社のスタインウェイピアノを使って演奏されます。ぜひご来場ください。...
小説 13.レッスン(2) 2019年9月9日 ピアノ前の椅子に腰掛ける昭子。譜面台に置かれた教則本をせい先生は広げ 「26番まで弾いてきてるってことは、お母さんに習ったにしても、昭子ちゃん、 楽譜かなり読めるんだってことだし、楽典もそれなりに解ってるってことなんよね。 本の最初に書かれているちょっとした楽典なんか説明しなくっても大丈夫なんよね。 とにかくさらってき...
小説 12.レッスン 2019年9月2日 待ち遠しかった初回のレッスン。 昭子の両親が勤め人であり、遠方からの通いであることを考慮され、 土曜日午後3時半からのレッスン時間をやりくりされたせい先生。 我流であったとはいえ、先週昭子の弾くピアノを聞き、密かな期待をこめられてのことであった。 せい先生の母、あの先週の老婦人に案内され、入室した静子に昭子。 「お世話...
小説 11.バイエル・メトードローズ(2) 2019年8月26日 まずはバイエル。好きと、母の手ほどきで楽譜をある程度読み取れるようになっていた昭子。 その見る目に『えっ、こんな』と、予想外な表情。 彼女が期待していたピアノ指導教材それだけの内容を読み取ることができない。 バイエルについて、最初の気負いは無くなり、これはと、メトードローズを見開く。 バイエルよりは自分の音楽的嗜好性に...
小説 10.イエル・メトードローズ 2019年8月19日 この当時の事を振り返り杉谷昭子女史が言うに、 音が出て、音階があってその幅は広く、和音が出せる。 生まれつき音楽好きだった自身にとって、オルガンは最高のオモチャであり、 行き届いてはいなかったとは言え、母との長い間の音遊び、ピアニストとしての表現の自由さ、 豊かさを身に付けるにあたって、無くてはならなかった源泉期、と述...
小説 9.グランドピアノ 2019年8月12日 昭子は自分の事でありながら、談話は二人の蚊帳の外に置かれていることを見てとり、 そっと部屋の中を見渡す。何よりも目の前のグランドピアノ。 初めて見るその大きさといい、真っ黒な色といい、自分がこれまで慣れ親しんできたオルガンとは あまりにもの違いに異様さを抱く。しかし“触ってみたい”、その昭子の好奇心を、 せい先生は見取...
お知らせ 夏季休暇のお知らせ 2019年8月9日 平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。 誠に勝手ながら、 8月10日(土)から15日(木)を 夏季休暇とさせていただきます。 ご不便をお掛け致しますが、何卒ご理解の程お願い申し上げます。...
小説 8.1950年(2) 2019年8月5日 「ごめんくださーい…。」返答を待つかのように聞き耳を立て、間をおき、再び呼びかける。 奥の方から、ピアノ音楽と重なり、か弱そうな女性の声。 「はーい、すぐに参ります。」わずかな間合いの後、戸の裏に人の気配があって、開けられたかと思うと、 品の良い年配婦人が現れた。 「いらっしゃいませ、お待ちしておりました。」 上品な物...