「表現芸術家ピアニストの生き様」掲載中

火のない所に煙は立たない。昭子は自分がオルガンを弾きピアノレッスンを受けていることを親友A子に打ち明ける。まさかこの何気ない会話が起因となって、のちのち、いじめを受けることになるなど思いもよらぬことであった。

そのA子とは小学校入学以来の親友で、教室での席順は離れていても同じクラス。見た目に合う合いそうにない、勘の働きどころとはあるもので、互いに意識し合っていればその機は訪れる。掃除当番での雑巾洗いの協力がきっかけとなり、友達付き合いが始まるようになるのだった。

床拭きに汚れた雑巾。

昭子は雑巾洗いに流しへと行く。A子がバケツに手押しポンプで水を汲んでいる。汲み終わると手を突っ込み、揉み洗い仕草。

昭子が近付くと、「あっ」という顔をして「あんた、杉谷って言ったんよね」

昭子は「うん」とうなずき、首を縦に振って「終わったら昭子にも洗わして」

「もちろんよ」A子は「あんた、昭子ちゃん、て言うんだったかしら……」

「私、A子て言うん。仲良しにならん」

昭子が洗うのにA子は水を汲んでくれ、洗い終えて二人は、互いの床拭き掃除に戻る。掃除終了の鐘が鳴って今日一日、全ての行事は終り、生徒一同自席に着席し、いつものように先生が来られるのを待つ。教室内での前後左右、隣同士、話し合う者あり、机の上に鞄を乗せ帰り支度か、教科書を詰め替えている者あり。昭子は先程A子と接していたせいもあってか、何気なく彼女の方に目を向ける。以心伝心、A‘子も昭子の方を向いていて、互いに微笑み合う。

 

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