まずはバイエル。好きと、母の手ほどきで楽譜をある程度読み取れるようになっていた昭子。
その見る目に『えっ、こんな』と、予想外な表情。
彼女が期待していたピアノ指導教材それだけの内容を読み取ることができない。
バイエルについて、最初の気負いは無くなり、これはと、メトードローズを見開く。
バイエルよりは自分の音楽的嗜好性にあってはいることは汲み取るが、
元来母も父も歌が好きで合唱団に組していて、
ピアノ奏法のような機能的な訓練を求められる教材にはあまり好感を抱けないタイプのようであった。
しかし、日本のピアノ音楽界の重鎮にまでのし上がった昭子女史、
そうなる今日に至るまでには幼かった時のような気分任せでは済まされない、
厳しい現実があったであろうことは言うまでもない。
そもそもピアノ音楽は西洋音楽でありながら音楽の基本、旋律、リズム、和音が実に有機的、
多面的に組み重なった音楽として、学び行う者にとって、
そのベースとなるピアノ音楽指導教材として、日本の音楽教育に定着する。
そもそも物事について、同じ事・物であっても、それはそれを受け止める側、
使用する側にとっての受け止め方、使用方法により、有効的であったり無かったり、
様々な物事ではあるが、もともとバイエルという教則本は幼子の為にではなく
ある程度大人になった人の為のピアノ教則本というピアノ指導者もいる。
教材への期待は薄れたが、上手くなり色んな曲が弾けるようになりたい。
昭子の思いは募ることこそあれ、うせることはなかった。
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